記事一覧
AI曲の再生水増し、米著作権局が11月23日まで意見募集。配信利用者・BGM制作者の本人確認とラベル付けも論点(規則ではない)

ニュース

AI曲の再生水増し、米著作権局が11月23日まで意見募集。配信利用者・BGM制作者の本人確認とラベル付けも論点(規則ではない)

米著作権局は2026年10月7日、連邦官報に音楽ストリーミング不正のNotice of Inquiryを掲載した。初回意見は11月23日23:59(米東部)、反論は12月21日23:59。議会要請に基づく調査であり、規則案でも最終規則でもない。論点にAI生成音楽と分配、顧客確認、法定ロイヤリティ対象外の表示が含まれる。

何が起きたか

米著作権局は2026年10月7日、連邦官報に音楽ストリーミング不正のNotice of Inquiry(意見募集、Docket No. 2026-6、91 FR 64188、文書番号2026-20537)を掲載した。下院司法委員会のScott Fitzgerald議員による2026年5月21日付書簡を受け、不正の手口、経済的影響、AI生成音楽との関係を調べる。初回意見は11月23日23:59(米東部時間)、反論意見は12月21日23:59。提出はregulations.govからの電子提出。規則案でも最終規則でもない。

何が変わったか

官報本文の調査項目は10件。制作者に効く論点は、不正の実行方法(ボットファーム等)、意図せず不正を助長している業界慣行、「信頼できるディストリビューター」・コンテンツ検証・顧客確認(KYC)・ロイヤリティのクローバック・罰金・削除の有効性、不正対策ベンダー、不審活動レポートや既知不正の共有データベース、メタデータ標準化、法定ロイヤリティ対象外コンテンツのラベリング、無過失差止め(no-fault injunctive relief)立法の可否、州・地方での刑事訴追、組織犯罪・マネロンだ。主害はロイヤリティ収入プールの希釈。二次害にプレイリスト掲載とツアー計画用データの歪みを挙げる。背景でBeatdappを名指しするが、質問はベンダー全般である。

IFPIのStreaming Integrity Initiative(9月14日開始、KYC・情報共有など5基準)にも言及する。MBWによれば開始時点でDistroKid・TuneCore・Believe・UnitedMastersは未署名だった。注はDistroKid/TuneCoreの人工ストリーミング罰則ガイダンスと、UMG対DistroKid訴訟(9月15日提訴、欺瞞的取引慣行と著作権侵害の主張。判決ではない)に触れる。前日10月6日、Michael Smithは禁錮18か月と没収$8,091,843.64を言い渡された(当サイト既報)。NOI本文の「約$10 million」は起訴時の受取額で、裁判所の没収額とは別数字だ。主題はNOIである。

誰の何の実務に効くか

効くのは、配信ディストリビューター経由でAI曲をDSPに載せている商用制作者と、ゲーム/動画BGMの大量投稿者だ。決まっていない。顧客確認は質問そのものなので、本人確認・支払先確認が厚くなる可能性はある。義務化ではない。法定ロイヤリティ対象外のラベリングも問われている。クローバック・削除は、正規のAI楽曲でも短時間の大量投稿や低再生カタログへ及び得る。共有データベースが動けば、一社のフラグが他社へ移る前提で、生成ツール・生成日・権利根拠を案件ごとに残す必要がある。無過失差止めは質問の選択肢であり、成立した法律ではない。

今日からやること

配信中のAI曲について、使用ツール・生成日・権利根拠を案件ごとに記録しておく。

出典

一次は連邦官報(2026-10-07)、米著作権局の政策ページ、NewsNet 1095。提出手順は同局のcomment-submission。二次はMBW(Murray Stassen、同日)。10項目は官報本文を優先した。URLは末尾。

Source: U.S. Copyright Office