
制作メモ
1日10曲を投稿する。KominamiのAI音楽制作フロー
Sunoで未知のジャンルを探し、良い音源が出るまで選別を繰り返す。ChatGPTで曲に合う、あるいは意図的にズレた画像を作り、FFmpeg以降の定型作業はプログラムへ渡す。Kominamiが1日10曲を公開するために組んだ、生成・妥協・自動化の実際を公開します。
聞いたことのないジャンルを探す
制作はSunoで曲を生成するところから始まります。すでに名前のついた一つのジャンルを忠実に再現するより、普段あまり聞かない組み合わせや、何と呼べばいいのか分からない音楽になるようにStyles欄の指示を組み立てています。楽器、テンポ、質感、時代性、地域性などを変え、似た方向ばかりにならないよう調整します。
生成すれば毎回いい曲が出てくるわけではありません。音が崩れている、途中から面白くなくなる、どこかで聞いた印象に収まる。そう感じた音源は捨て、良いと思えるものが出るまで繰り返します。Kominamiの制作で大きな割合を占めるのは、音を一から入力することより、この試行と選別なのかもしれません。
1日10曲というマイルール
自分の中では、YouTubeへ1日10曲投稿するというルールを決めています。数曲いいものができたところで終わらず、その日の本数に届くまで試行を続けます。作り続けなければ出会えなかった音を見つけるための、ある種の強制装置でもあります。
一曲だけを見れば、もっと時間をかけられる部分はあります。しかしKominamiでは、一曲の完成度だけでなく、さまざまな音楽が大量に存在するカタログ全体にも価値を置いています。百点の一曲を待ち続けるより、未知の方向へ何度も手を伸ばす。その中に、ときどき自分でも予想していなかった曲が生まれます。
曲に合わせる画像、あえて合わせない画像
採用する曲が決まったら、ChatGPTの画像生成を使ってアートワークを作ります。基本的には曲の調子や世界観に合う画像を考えますが、必ずしも素直に一致させるわけではありません。暗い曲に明るい画像を置くなど、音と絵の違和感によって別の想像が生まれることもあります。そのズレも作品の一部だと思っています。
画像も候補から選びます。ただ、音源を選んだあとに10曲分の画像を厳密に選び続けるのは、正直かなり疲れます。すべてを完璧に一致させず、『これはこれで面白い』『大きく外してはいない』と思えたところで決めることもあります。この妥協は、毎日制作を続けるための現実的な判断でもあります。
FFmpegから先はプログラムに任せる
曲と画像が決まったら、同じ名前をつけたMP3とPNGを取り込みフォルダへ入れます。プログラムは一組のファイルを検出し、保存が完了してサイズが安定したことを確認します。その後、FFmpegで静止画と音源を組み合わせ、YouTube用の動画を作ります。
続いて、MP3とPNGをCloudflare R2へ保存し、動画をYouTubeへまず非公開でアップロードします。曲名とファイル名を照合してデータベースへ登録し、公開日時を設定します。音声の複数箇所をローカルの分類モデルで解析し、登録したSuno Stylesや投入先のカテゴリも合わせて、ジャンル、ムード、用途の候補を付けます。YouTubeの説明欄やダウンロードページを整え、成功した素材と失敗した素材を別々のフォルダへ移すところまで自動で処理します。
- 同名のMP3とPNGを一組として検出する
- FFmpegで静止画動画を生成する
- 音源と画像をR2へ保存する
- YouTubeへ非公開で送り、公開日時を設定する
- 曲をDBへ登録し、音響解析とメタデータ付与を行う
- 処理済み素材と失敗素材を分離する
自動化したいのは創作ではなく、創作のあと
この仕組みだけを見ると、すべてを自動で量産しているように見えるかもしれません。しかし実際に疲れるのは、生成ボタンを押すことではありません。どんなジャンルを混ぜるかを考え、出てきた曲を聞き、ダメなものを捨て、残す曲を決める。画像を何枚も見て、曲に合わせるか、あえて外すかを判断する。その作業を10曲分終わらせます。
判断力を使ったあと、動画の書き出し、アップロード、ファイル整理、データベース登録まで毎回手で行えば、次の曲を探す体力がなくなります。だから、判断がほとんど必要ない部分をプログラムへ任せています。自動化したいのは創作そのものではなく、創作のあとに続く物流です。
完璧さより、未知の音を出し続ける
Kominamiの制作フローには、生成、選別、自動化、そして妥協が混ざっています。一曲を完璧にすることだけが目的ではありません。まだ名前のないジャンルや、普通なら組み合わせない音と画像を試し、それを大量に公開することで、誰か一人に深く刺さるものを見つけたいと思っています。
10曲すべてが同じように評価されるとは思っていません。後から聞いて、違ったかもしれないと思う曲もあります。それでも出し続けます。何が正解かを最初から決めるのではなく、作って、選んで、公開して、その膨大な結果の中から何かを発見する。それが現在のKominamiの制作方法です。